株価を読む(８)「村上ファンドのバリュー投資」

　「モノ言う株主」と呼ばれる村上世彰氏の投資顧問グループ、村上ファンドの投資手法についてまとめてみます。

　村上ファンドが投資するターゲットは、「手持ち資金を十分に活用していないキャッシュリッチな企業」と言えます。

　具体的な特徴はと言うと、

1. キャッシュリッチ
   利益余剰金が多く、現預金や短期有価証券など流動性の高い資産が多い。利益余剰金の対時価総額比率は、大体40%以上などになります。
2. 低PBR
   収益力が低いことなどから株価が割安な銘柄。PBRが1未満の銘柄に投資しています。
3. 配当余力がある
   当期利益のうち配当にまわす比率が低く、増配余力がある銘柄。
4. 資産効率が悪い
   事業拡大への投資に積極的で、総資産利益率ROAが低水準の銘柄。
   大体ROAが1〜2%前後の銘柄に投資しているようです。

村上ファンドが投資する銘柄は、利益率が低水準にあり、投資家から注目されないために株価やPBRが低い銘柄といえますが、倒産しそうなリスクを抱えている企業ではなく、キャッシュリッチな企業であることがわかります。

村上氏はこのような会社の株式を買い進め、大株主として経営者に資産の効率的活用と株主還元を訴えて株価を上げ、売り抜けることを目的としているようです。
スティール・パートナーズなどをはじめとする米系のファンドも同様の視点で投資しているようですね。

あなたのバリュー株投資に生かせるでしょうか？

[大量所有報告書が検索出来るサイト]
EDINET

>>「株価を読む」目次に戻る。