損益計算書(P/L)を読み込んで潰れない会社を探す。
前回は貸借対照表(B/S)から企業の与信能力のチェックを行いました。引き続き、損益計算書(P/L)を見て行きましょう。
1、売上規模と推移
売上高の変動要因をチェックし、会社の将来性を予測する必要があります。「何を売っているのか?」や「主要な取引先は?」はもちろん、「市場の動向」「業界の景気動向」なども加味する必要があります。
2、月別の売上高をチェック
月別の売上高の動きをチェックするかことも重要です。決算月前後に売上高に異常な動きがあれば、繰上計上などの粉飾を行っている可能性もあります。
3、減価償却の過小計上
固定資産の価値の減少額を毎期に費用として計画的に計上することを減価償却と呼びます。減価償却の最高額は法人税法によって定められていますが、限度額の範囲内であれば計上額は任意です。
そのため利益を出すために減価償却を少なめに計上する企業もあります。固定資産台帳などから固定資産の金額と種類を見定め、減価償却の妥当性をチェックしましょう。
4、支払利息の金額
支払利息の金額が、借入金の金額から見ても大きい場合には、企業が高利金融を利用している可能性があります。借入先をチェックする必要があります。
5、特別利益・特別損失の内容
どうしても利益を確保したい企業は、含み益のある資産を売却することがあります。こうした売却益は「特別利益」に計上されます(売却損は「特別損失」ですね)。投資家は、売却にいたった背景を明らかにする必要があります。
>>財務諸表コラムトップへ |