貸借対照表(B/S)を読み込んで潰れない会社を探す。
企業の与信能力を金融機関は厳しい目で調査します。その際にチェックされる項目を知っておくことは投資先の企業を調査する際にも役に立ちます。
まずは貸借対照表(B/S)編です。会社発表のB/Sを鵜呑みにせず、以下の調査より貸借対照表(B/S)を自分で書き換えてみることが重要です。IRなどへの質問の際に利用してください。
流動資産の中身をチェック;
1、自己資本比率を見る。
自己資本比率の高さは倒産する危険性が無いかどうかを見るうえで重要です。自己資本比率については「
バランスシートから読む。財務の健全性を見抜く自己資本比率 」を参考にしてください。
2、現預金の中に借入金の担保に入っているものは無いか?
現金預金はもっとも確実な支払い手段となりますが、借入金の担保などに入っていると自由に使えない場合があります。
3、棚卸資産の中に処分不可能になっている商品は無いか。
棚卸資産は、商品の在庫を資産として計上したものです。しかし、これらも売れなければ資産価値はゼロと言っても過言ではありません。季節商品やブームが去った商品など、売れなくなった不良在庫が無いかどうかをチェックする必要があります。
4、仮払金の増減は?
仮払金とは一時的処理のための勘定科目で、通常小額です。しかし、前期と同額が計上されていたり、増加している場合などは注意が必要です。本来ならば費用として計上すべきところを利益を確保するために先延ばしされている可能性があります。
固定資産の中身をチェック;
5、土地による含み損益は?
決算書に掲載されている土地の価額は取得価額である場合が大半です。金融機関は登記簿などを見て実際の取引価額を調べ、時価による含み損益を計算します。
6、減価償却が適切にされているか。
利益を出したいがために、会社が減価償却を小さく見積もることがあります。すでに廃棄処分となっている機械・役にたたない機械などが計上されていないか調査します。
7、会社名義の有価証券の含み損益は?
有価証券も土地と同様に、買ったときの価額で計上されている可能性があります。これも時価を調査して含み損益を計算する必要があります。
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